長野県の土地建物は飯田市のディ不動産
menu

HOME >  トピックス >  リノベーション事例 >  長野県飯田市の古民家リノベ事例 シェアスペース「桜咲造」

トピックス

長野県飯田市の古民家リノベ事例 シェアスペース「桜咲造」

20160509002438-0415086dd9bb9a68e8397d7f35f4bf8f186263cf.jpg

2016年春、長野県飯田市の上郷黒田にシェアスペース「桜咲造」がオープンしました。飯田高校の隣に建っている築40年ほどの古民家で、商店街通りから閑静な住宅街へと入った場所にあります。この建物はもともと住居兼電気店でしたが、店舗部分がスナックになった後、空き家となっていました。

売却時点で建物の価値はないため、土地の価格から建物を解体した場合に掛かる解体費用を引いた価格で、中古住宅として売りに出されていました。こういった物件は、購入者が建物を解体し新築するというのものが一般的に想定されます。

今回は弊社ディ不動産が購入し、建物をそのまま活用する取り組みを試みることになりました。もともとスナックであった建物ではありますが、閑静な住宅街、文教地域ということを鑑みて、地域に相応しい業態に模索することにしました。一方、飯田高校に隣接し、飯田女子高校も至近距離といった立地を活かし、高校生に向けたコンテンツの提供が期待できました。

飯田長姫OIDE高校生徒さんとの空家リノベーション活動

これには、2015年より始めた飯田長姫OIDE高校の生徒さんらとの取り組み、空き家のリノベーション活動も視野にいれていました。同高の商業課では「地域人教育」として、生徒を地域に溶け込ませる取り組みをおこなっており、地域の住民や企業と高校生との距離が近づいて様々な成果が生まれています。弊社は地域課題となっている空き家の再活用に対する活動を生徒さん達と始めていました。

この活動は、地元で広告デザインを手掛ける株式会社週休いつかからの橋渡しにより始まったもので、2015年は飯田市の起業家を育てるビジネスプランコンペにて、両社で支援してきた生徒が空き家リノベーションのテーマで奨励賞を受賞することができました。残念ながら大賞とならず資金調達のめどが立たなかったことから生徒の起業を果たすことは敵いませんでしたが、弊社としては、この中古住宅を彼ら高校生のフィールドワークの場として充てることにしました。

ちなみに、「桜咲造」というネーミングには、「サクラサク」という意味を込めて、高校生らの柔軟で夢のあるアイデアを実現させることを願っています。今までにない新しい発想で地域の課題である空き家を財産にできたら、そのような想いで、何がどうなるか、予測のつかない、というのが事実です。

そのような趣旨もあり、当初、この建物はフリースペースとしてのスタートアップを目指していました。コンテンツについてはスタート時点で具体的なプランを持たず、高校生からのアイデア出しや協議を経て徐々に醸成されてゆくものと期待しておりました。弊社と共に活動してきた生徒さんが所属する町おこしサークルが2016年春より公認サークルとなったことから、学校側との連携もいっそう深まり、いよいよという矢先、問題が生じました。

空き家増加という地域課題を解消する取り組みの将来

住民の方の中から「不特定多数の人たちが出入りするのは望ましくない」という意見が出され、地元自治会の役員の方々向けの説明会開催へと発展する事態となりました。振り返れば、建物の前を通りかかる方々からの「何ができるの?」という問いに、具体的に用途が決まっていない建物であることや「ぜひ、立ち寄ってお茶でも飲んでいってください、いつでも歓迎ですよ」という声掛けが、「不特定多数の者が訪れ治安が悪化する」「渋滞が発生する」といった不安をお持ちになられる要因となったと思われます。

建物の方向性として未定(すなわちフリー)であることや友好的な施設、事業運営をおこなうことを当然としていましたので、関係者一同大変驚くこととなりました。説明会にて真摯に説明をさせていただき、誤解の解消と一定の理解を頂戴し、誓約書の提出により事業遂行を認めていただきました。その際、フリースペースという名称をシェアスペースへ変更、不特定多数ではなく特定された者が運営する施設であるということを強調することとしました。

コワーキングスペース、シェアハウス、レンタルスペース、リノベーションといった言葉にて表現される、これまでになかった事業や活動が誕生しています。元来、取り壊して新築物件となるのが一般的な古家が、リノベーションという形で保存され、その建物をフィールドに「地域人教育」といった今までとは異なる取り組みをおこなう生徒さんらが集い、地域課題の解消や新しいビジネスモデルを構築する、これらを遂行する際は周辺関係者に対して丁寧な説明が必要であること理解することとなりました。

現在、この「桜咲造」のある飯田市の空き家率は全国平均か、それよりも少し高い値が出ています。全国を見ても空き家問題が顕著になってきており、課題解決のための取り組みが各地で始まっています。空き家や空き地が増え、郊外にどんどん町が拡散する、これまで当たり前だった「取り壊して新築となる」が一般的ではなくなる時代が到来しており、「それではどうするか?」が問われ始めています。

これは弊社のような不動産事業者はビジネスとして、地域は町づくりの観点から、協働して取り組むことのできる課題と考えます。今回、思わぬ形で地域の皆さんと接点を持つこととなりましたが、この建物のコンテンツづくりの要である高校生たちは、予定通り地域に溶け込む活動をしてゆきますし、地域からは自治会の夏祭りや文化祭のお誘いもいただいており、この出来事が逆に深い結びつきになる兆しを感じています。

シェアスペース「桜咲造」
長野県飯田市上郷黒田(飯田高校隣り)
0120-098-682
facebook
twitter

30坪/木造平屋/築40年

【主なリフォームの内容】
・店舗部分の改修(仕切りや天井の撤去により開放感のある空間を創出しラウンジとして利用中)
・内部の壁や天井の塗装(壁紙の汚れ、はがれなどは全てペイントでカバー)
・和室の襖張り替え
・ボイラーやキッチン設備などの入れ替え
・業務用防犯カメラ5台設置24時間録画
・高校生の協力によりゴミ出しや清掃などを実施
・建物内各部屋のプレートやデザインなどを高校生らが実施

【建物用途(2016年春現在)】
・ディ不動産の事務所
・シェアハウス(飯田市役所勤務の男性19歳)
・多目的スペース(飯田長姫OIDE高校のサークル「sturdyegg」の生徒が中心となり企画・運営中)

※古家リノベーションのモデルハウスとして見学歓迎

(5)

20160509030808-74ad99e292aa8a15aca98d52aa03e0be70a8ad8b.jpg

20160509030631-0800d4a43d9967bb85b1d1ec1b99cec0f9924888.jpg20160509030955-86b10adccd8b493ddb1386249a3dee52eb3c047c.jpg20160509031138-f16d091200bc39d61ff5473f065be7f258be3445.jpg

16/05/09

ひとつ前に戻る

ページトップへ